アウトローになりたかった頃

小学生の時に読んで以来、ブラックジャック(漫画のほう)が好きだ。知らない人のためにざっくり説明すると、孤高の天才外科医(わけあって無免許)がいろんな人を手術して大金をふんだくったりふんだくらなかったりする話で、この天才外科医がブラックジャックである。ブラックジャックは天才外科医なので、ときには野犬に囲まれながら自分で自分の手術をしたりする。こういう人になりたい、と思った。誰にも頼らずに私はどこまでも行きたかった。

その当時(というか結構最近まで)、私は自分が親に養われていることがうっとうしくて仕方なかった。人の庇護下にあって全てが自分の思い通りにいかないのが、それになにより自分が親に頼りきって生きているのが嫌だった。自立して早く家を出たいとずっと思っていた。

(ちょっと脇道に逸れます:前に読んだ本の受け売りだが、生まれた時から身の回りのこと全てを自分でやって、自分でお金を稼げる子どもなんているはずがない。だから親に子どもを養う義務はあっても子どもがそれを必要以上に重く受け止めるというか、過剰に育てていただきありがとうございます!という風に思うのはちょっと違うよなーと思う。だから全ての親は、お願いだから子どもに誰のおかげで飯が食えてるんだ!なんて言わないでほしい。私は親になったことがないのでこの辺の考え方はまた変わるかもだが…)

とにかくそういう風に、自己完結した生き方が正しくてかっこいい生き方だと長いこと思っていたわけだが、最近になって(まじのまじで最近、ここ一ヶ月くらい)それは違うのではないかと思うようになった。先述の通り、本を読んで生まれたときから全部を自分の手で成し遂げるのは無理だと考えるようになったのもあるが、人に何かをお願いすることは貸しではないと考えるようになったのもあるかもしれない。前までは人に何かを頼むのにすごーく罪悪感を感じていたが、最近は私が思っていたよりみんながお互いにお互いを知って、人を頼るのも戦略のひとつだよね、と思えるようになった(具体的にいうと前までは何かわからないことがあると、このくらいのことみんな自分で調べて知ってるのに!お手数をかけさせてしまって申し訳ない!情けない!と思いながら人に聞いていたのが、私の知らないことを知ってる人がいて聞けた(^.^)✌️ラッキー(^.^)✌️と思えるようになった)。

そういえばブラックジャックにも助手(兼奥さん)がいるし(これも読んだことのない人のために書いておくとピノコちゃんといいます。かわいい)、昔の恩師とか友達とかが出てくる回も結構あったなーと書きながら思った。ブラックジャックはどこまでも孤独だが、人と関わること、人を救うことは決して諦めていなかったんだと思う。結局いつも書いていることの変奏になってしまった。じゃあ逆になんで今まで人を頼る方向で生きてなかったのかが不思議だが…

人は経済的にも精神的にも一人で生きていけるわけではないですよね という話でした。暑いのでみなさんお身体にお気をつけください⚡️